神西 仁です。
40代までの私たちは、太平洋のど真ん中を進む船のようなものでした。
ただひたすらに水平線の先を目指して船を漕いでいました。
しかし50代になり、ふと前方を見ると、かつては見えなかった「対岸」が
うっすらと姿を現し始めています。
それは、65歳という年金支給開始の境界線。
あるいは、健康でいられる時間の限界かもしれません。
対岸が見えるまでは、燃料(収入)を増やすことが最重要でした。
しかし、対岸が見えてきた今、航海の目的を根本から変える必要があります。
今回は、私が自分自身を実験台にして取り組んでいる
**50代からの「出口戦略」**について語ります。
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1. 「収入の最大化」から「QOLの最大化」へ
40代までの私たちの目標は、いかに給料を増やし、組織内での地位を上げるか、
つまり**「収入の最大化」**にありました。
しかし、私の考える人生後半戦の戦い方は違います。
目指すべきは**「QOL(生活の質)の最大化」**です。
私が定義するQOLの高い暮らしとは、
「好きな時に、好きな人と、好きなことができる状態」 のこと。
つまり、時間や場所の自由度を自らの手に取り戻し、
仕事とプライベートの「選択権」を自分が握るということです。
午前中には日本語学校で留学生の笑顔に触れ、
午後は社労士として企業の顧問相談に乗り、
夜は静かにブログを綴る。
そんな三足の草鞋が、私の理想です」
非常勤講師や顧問契約であれば、
ある程度は自分の裁量で仕事の比重を変えることができます。
3つの役割の位置づけを述べます。
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2. 私が再武装に取り組む「3つの武器(ディメンション)」
この出口戦略を実現するために、
私は3つの異なる武器を自分の中に持たせようと決めました。
これをかつてのSFアニメになぞらえ、
**「バビル2世の三つのしもべ」**にイメージしています。
(※この発想の原点については、
こちらの記事[「肝心屋 #01:バビル二世のポートフォリオ」]で詳しく語っています)
① 専門性の矛:社会保険労務士(ロプロス)
組織の看板に代わる、攻撃力と機動力を備えた国家資格です。
目に見えない会社での実務経験を「専門性」という目に見える武器に変え、
個としての看板を支えます。
会社員時代、労務の改善や労働災害の撲滅に取り組みました。
資格勉強は大変ですが、興味が尽きない分野です。
難点は資格取得が容易ではないということです。
これは、マラソンと考え2年から3年での合格を目指します。
② やりがいの盾:日本語教師(ロボコン)
かつての会社組織という名の巨大な力「ポセイドン」はもうありません。
代わりに選んだのが、日本語教師です。
一生の友人になれるような親しみやすい存在「ロボコン」です。
高収入は望めませんが、誰かに必要とされ、成長を共にできる仕事です。
ポセイドン(組織の巨大力)を失った代わりに、
等身大で愛される存在としてのロボコン(親しみと貢献)
これは私のアイデンティティであり、生きがいを重視する活動です。
また、社労士と比べると実現可能性が非常に高いため
まずはこちらを先に立ち上げます。
現状、文部科学省の認定する420時間養成講座を修了すれば、
日本語教師として働くことは可能です。
もちろん、登録日本語教員資格の取得を目指しますが、
まずはスタートは切れるのです。
③ 変化への適応力:ライティング×AI(ロデム)
すべての仕事に応用ができ、他の2つと相乗効果を生むスキルです。
AIで簡単に文章が作れる時代ですが、コンテンツは人間が生み出すものです。
ブログ制作のプロセスが一番の修行になります。
自分の経験を「コンテンツ」として発信する。
これは晩年に体力が落ちても続けられる、キャリアの最終形をイメージしています。
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3. 「戦力の逐次投入」というリスクを承知で
一つ懸念があります。
限られた時間という資源を、3つもの分野に分散させるのは、
戦略上「愚策」とされることもあります。
30代であれば、長い時間をかけて回収できるかもしれません。
しかし、50代の私たちに残された時間は限られています。
それでも、私はあえてこの道を行きます。
健康寿命を70歳と考えれば、まだ10年から20年近くは
動ける時間があるからです。
ライフステージに合わせて、まずは日本語教師を立ち上げ
後に社労士を加え、最終的にライティングに重きを置く。
そんなにうまくいくか?
うまくいかないかもしれません。
でも、うまくいかなければ、つど軌道修正すればいいかなと。
進む方角さえ決まれば、歩き出せます。
選んだ道が正解かどうかより
選んだ道が正解になるように、
納得解になるように全力を尽くす、です。
このバランスと割り切りこそが、
50代の出口戦略だと信じています。
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結びに:下り坂の景色を楽しむために
ガムシャラに漕ぐだけの時期は終わりました。
これからは、自分の意思で舵を切り、
納得できる岸辺へと船を寄せていく時間です。
AIがどれだけ進化しても、私たちが藻掻いた
「経験(コンテンツ)」の価値は揺らぎません。
資格を取って必ず独立する必要もありません。
資格の専門性があれば、古巣の会社と業務委託契約もあり得ます。
それなら毎日出勤する必要もありません。
より心理的負担が軽く、自由度が高まります。
あなたも、自分だけの「出口戦略」を描いてみませんか。
まずは、自分がどの「武器」で再武装したいのかを問いかけることから始まります。
「意志あるところに道あり」
共に、この人生後半戦のアイデンティティを創り上げていきましょう。
店主・神西 仁



