こんにちは、神西仁です。
もしあなたが、今まさに「日本語教師の資格を取ろうかな」と考えているなら、まず最初に知っておいてほしいことがあります。
今日はあえて、ポジティブな面ではなく「ネガティブな現実」からお話しします。
資格の学校へ申し込む前に、ぜひこの「3つのポイント」を自分の中に落とし込んでみてください。
この記事で分かる「3つのリアル」
- 受講料が想像以上に「高額」であること
- 講座修了にはそれなりの「期間」がかかること
- 決して「時給の良い仕事」ではないこと
日本語教師を目指す前に知っておいてほしい「3つのリアル」
1. 受講料が想像以上に「高額」であること
まず真っ先にぶつかる壁が、お金の問題です。
現在、日本語教師養成講座を受けられる大手スクールは、実はそれほど多くありません。
私は最大手と言われる「ヒューマンアカデミー」で受講しています。
選択肢は限られているのが現状です。
そして気になる受講料ですが、ヒューマンアカデミーの場合、定価は約72万円でした。
内容自体には満足していますが、ちょっと「高いな」というのが正直な印象です。
他のスクールも、おおむね同じくらいの価格帯になります。
高い安いは個人的な感覚なので、自分の財布には痛いなというだけです。
法律で定められた養成講座は通常「養成課程(座学中心)」と「実践研修(教育実習)」の二つが必須です。受講料は実践研修も含んだ金額か確認してください。
2. 講座修了にはそれなりの「期間」がかかること
2つ目の壁は、時間の確保です。
日本語教師の養成講座は、法律で定められた「420時間」のカリキュラムをこなさなければなりません。これは避けては通れない最低ラインです。
半年ぐらいで修了された猛者もいるようですが、1年~1年半と見た方が無理がないです。
学習スタイルは、座学についてはEラーニングなどで柔軟に進められます。しかし、問題は「教育実習」などの実践研修です。これらは学校側でスケジュールが決まっており、受講枠も限られています。
特に仕事を持っている人に人気の「土日クラス」はすぐに埋まってしまいます。もし希望の枠が取れないと、次の開講まで3ヶ月待ち……なんてこともあり、修了までの期間がずるずると延びてしまうリスクがあるんです。
また、模擬授業で作成する教案(授業計画書)と教材は、予想以上に時間がかかりました。
45分の模擬授業に対して、教案とパワポ教材で20時間かかりました。
これは私が不器用なだけかもしれません。
しかし、スライド1枚作るにも意外に時間がかかります。
この試行錯誤自体が学びですが、仕事が忙しいときに重なるとしんどいかもしれません。
3. 決して「時給の良い仕事」ではないこと
3つ目は、資格を取った後の現実です。
正直に申し上げて、現在のところ日本語教師はそれほど時給の良い仕事ではありません。
「資格取得を投資」として考えた場合、その費用を回収する「費用対効果」という面では、人によっては物足りなさを感じるかもしれません。
日本語教師を志す方は、お金だけが目的ではないと思いますが、あらかじめ実際の求人サイトなどで「報酬の相場」を見ておくことを強くおすすめします。
課題を突破するための戦略
ここまで少し厳しいお話をしてきましたが、私はそれでも、この資格に挑戦する価値は十分にあると思っています。そこで、これらの課題をどう乗り越えるか、私なりの提案をまとめました。
補助金とキャンペーンを賢く使い倒す
高額な受講料に対しては、制度をフル活用しましょう。
私の場合、経済産業省の「リスキリング補助金」を利用することで、受講終了時に50%のキャッシュバックを受けることができました。このおかげで、ようやく決断できたという面もあります。
「リスキリング補助金」は27年1月までに修了の期限があるので、今からですと難しいかもしれません。
他の制度ですと、特定一般教育訓練給付金の対象になっています。受講修了で40%(最大20万円)の給付があります。
また、スクールが季節ごとに行っている「20%OFFキャンペーン」などを狙うのも手です。
まずは自分が使える制度がないか、徹底的に調べてみてください。
スケジュール管理は「逆算」が大事
時間がかかる問題については、早め早めの行動が鍵を握ります。
気を付けたいのが「養成課程」と「教育実習」を同じ学校で一気通貫で受けることです。別々の学校で探そうとすると、スケジュールの調整が非常に難しくなります。
早めにスクールの空き状況を確認し、オンライン講座と実習のタイミングをパズルのように組み合わせて、無駄な待ち時間を作らないように計画を立てましょう。
ちなみに、「養成課程」が修了していれば、11月開催の登録日本語教員試験の基礎試験が免除になり、応用試験のみで受験することができます。
資格試験を受験した後で「教育実習」を受けることも可能です。
※日本語教師経験がなく、養成機関ルートで受験するケースを前提にしています。独学で基礎試験から受験するルートもありますが、合格率が約35%と難易度が一気に上がります。お金はかかりますが、養成機関ルートが最短ルートになります。(基礎試験免除で応用試験のみの合格率は約70%)
求人の黄金期「7月〜10月」を狙い撃つ
報酬や就職の不安については、業界の「シーズン」を意識することで有利に動けます。
留学生向けの日本語学校は、4月と10月が開講期であり、入学者が増えます。特に10月入学は学生数が多いため、教師の需要が最も高まります。学校側が秋の入学者を把握し、教師の求人を出し始めるのがだいたい7月頃です。
つまり、この「7月から10月」の求人ラッシュに合わせて、エントリーできるように逆算して講座を修了するのが、最もスムーズな流れになります。
まとめ:50代からの「学び直し」として
現在、日本語教師は国家資格「登録日本語教員」の制度がスタートし、業界全体の過渡期にあります。
学士以上でヒューマンアカデミーなどの国が認めた「登録日本語教員養成機関」の420時間コースを修了すれば、教壇に立つことができます。(経過措置中)
よって、実現可能性が非常に高いと言えます。
経過措置の間に資格取得ができれば、時間に無駄がありません。
まずは7月(求人ピーク)をターゲットにして、そこから逆算して実習まで終えるスケジュールを組む。これが一番の近道です。
ネガティブな部分もお話ししましたが、それ以上の価値があると私は信じています。
養成講座で出会う方たちは老若男女、経歴も様々でとても刺激になります。
何より皆さん主体的で軸があります。
興味を持った方は、ぜひ、検討してみてください。
下に参考資料のリンクも貼っておきますね。
「意志あるところに道あり」 共にがんばりましょう。
店主・神西 仁
参考資料:
・文部科学省 関係資料 登録日本語教員制度等について
・ヒューマンアカデミー 日本語教師養成講座
・日本村 日本語教師・職員 求人情報



